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集中豪雨をもたらす線状降水帯は いつどこで発生するの?

火災保険・地震保険申請サポートの建物調査九九です。

私たちは、建物のオーナー向けに、火災保険や地震保険への加入の大切さを広く知っていただきながら、被害に遭った建物の保険申請が可能かどうかの調査を行い、保険会社への申請までを専門知識を通してサポートしています。

さて、今回は、8月に入って九州~西日本一帯にかけて多くの被害をもたらしている線状降水帯について、詳しくお伝えいたします!

1.線状降水帯って何?

1-1線状降水帯と積乱雲って違うの?

線状降水帯の正体は、積乱雲の行列です。
一般的に積乱雲は、横の大きさは数キロ~数十キロメートルほどしかなく、その寿命も30分~1時間ほどです。
そのため、通常は積乱雲が風に流されて通り過ぎてしまえば一般に「夕立」とか「通り雨」「ゲリラ豪雨」などといわれる現象で終わります。

ところが気象条件により、風上側で積乱雲が次々に発生して積乱雲の行列ができてしまうことがあります。
これが線状降水帯です。あとからどんどん積乱雲が形成されてくるので「バックビルディング現象」といわれています。
形成される線状降水帯の大きさは長さ50~300キロメートル、幅20~50kmほどにもなります。狭い範囲に長く積乱雲がとどまってしまうため、線状降水帯が発生した地域では集中的に大雨が降るのです。

画像出展:気象庁HP「顕著な大雨に関する情報」

1-2線状降水帯の発生時期

暖かく湿った空気が流れ込むと、前線や地形などの影響でその空気が持ち上がります。
このとき上空に冷たい空気があると、その空気は下へ流れようとし、暖かく湿った空気は上昇しようとするため、空気に対流が起き、「大気が不安定」と呼ばれる状態になります。この状態の中で積乱雲が発生します。
暖かく湿った空気が発生しやすいのは海水温度が高い夏。線状降水帯による豪雨災害は6月の終わり~8月にかけて集中しているのはそのためです。

1-3線状降水帯の予測

暖かく湿った空気が流れ込み、前線や地形の影響を受けて次々に積乱雲を発生させるポイントがあると線状降水帯となる可能性がありますが、この正確な予測については、現在研究が進められているところです。
予測には発生地点付近の正確な水蒸気の量を測定する必要があるので、九州地方に線状降水帯をもたらす東シナ海上で水蒸気の測定を行うなど新しい試みが行われており、今後の線状降水帯の発生メカニズムの研究が待たれます。
一方、研究が進み、発生した線状降水帯を自動検知する仕組みがこの6月から運用開始されており、急激に災害発生の危険度が高まっていることを知らせるための情報として活用され始めています。

2.線状降水帯のもたらす災害

2-1線状降水帯による被害の例

「線状降水帯」という言葉をよく耳にするようになったのは最近のことです。
この用語が頻繁に使われるようになったのは2014年に広島に大きな被害をもたらした「平成26年8月豪雨」のころからといわれています。
ですが、実は豪雨災害の6割は線状降水帯によるものと考えられており、用語は使われておらずとも、昔からあった気象現象なのです。
さて、平成26年ごろから現在までの、線状降水帯が原因とみられる日本の災害についてみてみましょう。

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・平成26年8月豪雨…死者77名、負傷者68名、住宅全壊179棟、半壊217棟、一部損壊189棟、床上浸水1084棟
リンク:内閣府防災情報「2014 年(平成 26 年) 8 月 19 日からの豪雨災害」

・平成29年7月九州北部豪雨…死者・行方不明者42名、負傷者28名、住宅全壊336棟、半壊1096棟、一部損壊44棟、床上浸水181棟(※被害の大きかった福岡県・大分県の合計)
リンク:消防庁「平成29年6月30日からの梅雨前線に伴う大雨及び台風第3号の被害状況及び消防機関等の対応状況について(第77報)」

・令和2年7月豪雨(熊本豪雨)…死者65名、行方不明者2名、負傷者44名、
住家全壊1490棟、半壊3092棟、一部損壊1940棟、床上浸水329棟 ※最も被害の大きかった熊本県のみの数字)
リンク:内閣府「令和2年7月豪雨による被害状況等について 」

2-2線状降水帯が発生しやすい地域

線状降水帯は、日本中どこででも発生する恐れがあります。たとえば「平成23年新潟・福島豪雨」、鬼怒川を中心に大きな被害をもたらした「平成27 年9 月関東・東北豪雨」などは比較的記憶に新しいところだと思います。平成22年には北海道でも線状降水帯による大雨被害がありました。このように、全国どこでも線状降水帯による集中豪雨は発生する可能性があるのです。

3.大雨の災害に関して火災保険はおりるの?

「火災保険と地震保険の違いって何? 加入義務はあるの?」のページでもお伝えしたように、近年水害等に対する保険会社の支払いが巨額になってきているため、保険加入に関しては引き受け条件が厳格化されたり、保険料が引き上げられたりされているようです。しかしながら、水災保障がついている保険に加入していれば、損害状況により申請を行うことはもちろん可能です。
お手持ちの火災保険が、水災にも対応しているかどうかを今からでもしっかり確認しておきましょう。もし、水災保障がついていない保険だった場合、後付けで加入したり契約を結びなおしたりして、備えておきたいですね

まとめ 被害がパッと見わからない、という方も
建物調査九九へお気軽にご相談を!

建物調査九九は、建物の専門知識のない被保険者に適切な知識を提供し、手続きをサポートすることで、今後より安心してお住まいいただくためのお手伝いを行っています。
一般の方がご自身で申請されるだけでは申請が認められなかったものの、当社のサポートを通して保険がおりたというケースは少なくありません。

火災保険、地震保険両方のサポートができますので、火災保険・地震保険の申請をより確実に行いたい方など、ぜひ建物調査九九までお気軽にご相談くださいね♪

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